
はじめに:「うちの会社の強みって…なんだろう?」
経営者や広報担当者からよく聞く“漠然とした悩み”。
会社の良さはある、でも言葉にできない。だから発信してもピンと来ないし、採用にも営業にもつながらない。
実はそこにこそ、“らしさ”という資産があります。
そして、らしさは見つけて終わりではなく、「どう言葉にするか」「どう届けるか」まで含めて初めて“強み”になるのです。
この記事では、ハベクロの広報視点から、“らしさ”を発見する実践的なメソッドをご紹介します。
第1章:「らしさ」と「強み」はどう違う?
・強み=市場に通用する能力、らしさ=独自の個性や空気感
・「強み」は時に誇張されがちだが、「らしさ」は誠実に伝わる
・例:
─ 製品力より“こだわりのプロセス”が刺さる町工場
─ 価格競争より“社員が辞めない安心感”が選ばれる福祉法人
第2章:「らしさ」を発見する3ステップ
① 社内外インタビューで“他人目線”の評価を集める
→ 社内インタビューだけでなく、社外のステークホルダーからも「自分たちには見えていなかった価値」を掘り起こすことが重要です。
・社員、元社員:理念・働き方・社風に現れる“らしさ”
・既存顧客:なぜ選んだのか?他社との違いは?
・元顧客:なぜ離れたのか?改善点の中に隠れた魅力がある場合も
ハベクロでは、社外ヒアリングに特化したサービス「キキキリ」を活用し、企業側では聞きづらい“本音”を第三者の視点で収集・分析しています。
例えば、ある老舗製造業では「品質の高さ」が売りと思っていたが、実際に顧客が評価していたのは“短納期の対応力”と“担当者の気さくさ”だった──という発見があり、以降の広報や営業方針が大きく変わりました。
② 過去の選ばれ方を分析する
→ 営業の成約理由、紹介時の言葉、SNSやクチコミのフレーズなどに、無意識の“選ばれる理由”が隠れています。
それを掘り下げることで、「なんとなく良い」が「○○があるから良い」に変わります。
③ ストーリーで整理する
→ 単なる特徴ではなく、「なぜそれが生まれたのか?」「誰がどんな思いで育てたのか?」というストーリーが、企業のらしさを深く支えます。
広報は、このストーリーを編集して「伝わる物語」に変換していきます。
第3章:「らしさ」は“言葉”にして初めて武器になる
どれだけ魅力があっても、言葉にできなければ誰にも伝わりません。
「うちの会社って、なんかいいんだよね」──この“なんか”を言語化することが、広報の重要な役割です。
● 「らしさ」は、感覚から言葉に落とすことで共有できる
→ 社内で「らしさ」が共有されていないと、発信内容がバラバラになりがちです。
理念やビジョン、キャッチコピー、SNSの語り口調など、あらゆる表現に“らしさの軸”が通ると、伝わり方が一気に変わります。
● 言葉になった「らしさ」は、ツールとして使える
→ 一度明文化された“らしさ”は、社内外の多くの場面で使えます。
・パンフレットや会社案内のメッセージ
・採用サイトでの企業紹介
・営業資料の自己紹介パート
・Webサイトのキャッチコピーやブログ記事
例えば、「地域に根ざして◯年」よりも「“半径2キロ圏内の課題”に応える会社です」の方が、鮮明に伝わるように、言葉の設計で印象は大きく変わります。
第4章:らしさを“強み”に変える発信のステップ
「らしさ」を見つけ、言葉にしたあとは、それをどう発信するかが重要です。
ここでは、らしさを広報活動に活かすための基本ステップをご紹介します。
① 発信チャネルごとに翻訳する
→ SNS、ブログ、プレスリリース、名刺、パンフレット…それぞれに適した表現で“らしさ”を届ける。
例:
・SNS → カジュアルな言い回し+写真で空気感を伝える
・リリース → 客観的かつ論理的に“らしさ”を補足する構成
② 継続的な発信で「らしさ」を体現していく
→ 一度発信して終わりではなく、時間をかけて“積み重ねる”ことが信頼につながる。
「この会社、ブレないな」「あの投稿、なんか印象に残ってる」そう思ってもらえることが“選ばれる理由”になる。
③ 社内での共有が定着を加速させる
→ せっかく見つけた「らしさ」も、広報担当だけが知っていてはもったいない。
社内の共通言語として活用することで、採用・営業・商品開発などすべての部門のメッセージが揃い、組織全体の一体感につながる。
まとめ:らしさは“掘り起こし”と“翻訳”で、企業の力になる
企業の「らしさ」は、実は目の前にあります。
ただ、自分たちには見えづらい。だからこそ、社内外の視点で掘り起こし、広報の力で翻訳し、社会に届ける──。
それができれば、“なんとなく良い会社”から、“選ばれる会社”へと変わっていきます。
ハーベスト・クロップスは、企業の内にある“らしさ”を見つけ出し、言葉にし、育てていく伴走者です。
「強みが見つからない」と悩んでいる方こそ、一緒に“らしさ探し”から始めてみませんか?


